一般社団法人Next Commons Lab(代表理事:林篤志)(以下、「NCL」)及び Sustainable Innovation Lab(共同代表:林篤志、白井智子)(以下、「SIL」)では、既存の自治体機能に変わる「第二の自治システム」の構築を目指す「Local Coop構想」を自治体、企業、地域プレイヤー等と推進しています。その第一弾実証プロジェクト地である奈良県奈良市の「Local Coop 月ヶ瀬」プロジェクトにて共助型サービス第一弾となる「共助型買い物サービス(仮称)」の実証実験を開始することをお知らせいたします。本プロジェクトは、奈良市(市長:仲川げん)、日本郵政株式会社(取締役兼代表執行役社長:増田寬也)(以下、「日本郵政」)、日本郵便株式会社(代表取締役社長兼執行役員社長:衣川和秀)(以下、「日本郵便」)、イオンリテール株式会社(執行役員近畿カンパニー支社長:川本昌彦)、NCL、SILの6者が共同で実施します。令和5年2月21日から同年3月22日までの約1ヶ月間、奈良市東部地域の一部(月ヶ瀬地区、柳生地区、東里地区)にて、日本郵便の郵便局と配達ネットワークを活用し、対象地域内で「イオンネットスーパー」の商品を購入可能とする新たな買物サービスです。過疎地のラストワンマイル問題による物流サービスの低下に対応し、住民の共助によって買い物の利便性の維持とCo2削減を目指す取り組みです。■背景と展望本実証実験の対象地域は、住民の自宅からスーパーなどの店舗が離れており、交通網も弱体化していることから、特に移動手段が限られる高齢者や多忙な子育て世代にとって、日用品などの買い物の際に不便さを感じる要因となっています。また、既存の「イオンネットスーパー」では、イオン店舗からの距離の問題により、生鮮食品や冷凍食品などの配達が困難となっている現状がありました。現在、奈良市及びNCL、SILでは、急激に進む少子高齢化による社会保障費の増大および自治体税収減による公共サービスの限界に先んじて能動的に対応すべく、奈良市月ヶ瀬地域を先行地域として、令和4年2月に「Local Coop月ヶ瀬プロジェクト」を発表しました。買い物サービスのような生活に必要なサービスを住民参画型の仕組みで運営することにより、持続可能な地域づくりを実現していきます。今回の実証実験の詳細については、奈良市のプレスリリースをご覧ください。https://www.city.nara.lg.jp/site/press-release/167384.html ■プロジェクト拠点『ONOONO』での取組「Local Coop月ヶ瀬」プロジェクトは、令和4年3月10日にオープンしたワーケーション施設『ONOONO』(旧月ヶ瀬学校給食センター)を拠点に活動しています。令和4年度は、イベントや住民会議(自分ごと化会議)を通して住民自ら社会課題を抽出し、住民・行政・企業等の連携による解決策を実行する住民共助による仕組みづくりを模索してきました。ONOONO ウェブサイトhttps://onoono-nara.jp/今回の実証実験期間は、地域住民と協働しながら、下記を実施する予定です。● 地域産品の販売(地域の魅力を発信・再発見)焼菓子やマクラメ編みの雑貨など、地域の方が生産された産品を販売します。ネットスーパーの商品だけでなく、ここにしかない地域産品も購入できます。協力地域団体:はぐらぶ、Tea Lab、湖畔の里 ほか● お子さま向けカプセルトイ(多世代交流の場)ONOONOを訪れたお子さまは、1日1回カプセルトイを回すことができ、出てきたコインとお菓子を交換することができます。● みんなで作る環境アート(カーボンニュートラルな暮らし促進)地域内で買物することにより、個々の移動によるCO2排出を抑制できます。その環境価値を、みんなが作るアートとして可視化します。■(参考)Local Coop構想とは少子高齢化が進む日本では社会保障費が年々増大し、自治体の財政基盤はかなり厳しい状況です。日本創成会議のレポートによると、2040年までに半数の自治体が消滅するとも言われています。また社会情勢や自然環境の予測が難しい時代にあって、大企業といえども、これまでの事業領域と手法だけで企業活動を維持することはリスクであり、変化していく時代の潮流に合わせた事業ポートフォリオの再構築は喫緊の課題です。私たちは、自助・公助共に限界を迎える人口減少期において、住民同士が助け合い生活を支えていく共助の仕組みの必要性があると考えています。持続可能な自治、持続可能な企業活動、それらをどのように設計し、社会に実装していくか、セクターを超えた共創をベースとする「Local Coop構想」の中で開発していきます。「Coop」という単語が示す通り、協同組合のかたちを住民参画で構築していきます。住民自身が出資参画し、意思決定をし、労働する、まさに地域経営を担う協同組合として、自治体や企業と協働しながら、自らの地域の豊さと持続性をデザインしていくことを想定しています。まずは、住民参画のベースとなるCoopの枠組みについて、最適なかたちをつくること、そして自治体の担っているいくつかの事業に関する、PFS(成果連動型民間委託契約方式)やSIB(ソーシャルインパクトボンド)等を活用した企業の参画と事業開発に着手します。アプローチは違うものの、今回二つの地域で実証プロジェクトをはじめることで、持続可能な社会の汎用的な型をつくりたいと考えています。Local Coop構想についてhttps://note.com/nextcommonslab/n/n8b69c8f313e1■お問合せNCL及びSILでは、Local Coop構想をともに実装する企業・自治体・専門家等を募集しております。下記メールアドレスまで、お気軽にお問合せください。sil-info@nextcommonslab.jp